本宿用水が世界かんがい施設遺産に登録

更新日:2024年04月01日

令和5年11月4日にインド・ヴィシャーカパトナムで開催した国際かんがい排水委員会(ICID)第74回国際執行理事会において、ICID日本国内委員会から候補施設として申請した本宿用水が世界かんがい施設遺産として登録されました。

登録証
登録盾

世界かんがい施設遺産とは

世界かんがい施設遺産とは、かんがいの歴史・発展を明らかにし理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全に資するために、歴史的なかんがい施設をICIDが認定・登録する制度で平成26年度に創設された制度です。

本宿用水について

当町の本宿地域を流れる本宿用水は、黄瀬川にある鮎壺の滝の上部に設置した新井堰から取水し、延長約500mの隧道と約2kmの水路で造られたかんがい施設です。16世紀まで本宿村は黄瀬川の川底が深く、降水時には暴れ川となり、川水を取水することが技術的に難しく、稲作ができない地域でした。

そこで、本宿村では1601年、徳川家康から任命された領主・興国寺城主の天野三郎兵衛康景に、隧道掘削の許可を嘆願し、当時最先端の水利土木技術である「甲州流水利法」を駆使して、1603年に本宿用水が完成しました。

本宿用水の隧道通水の水利技術や鉄のノミを使用した人力による掘削技術、行燈を使う測量技術などは67年後に造られた裾野市の「深良用水(2014年世界かんがい施設遺産登録)」建設時の「手本」として活かされており、日本における「取水技術・通水技術・排水技術」の先進的な技術が結集した「規範」と評価できる優れたかんがい施設です。

本宿用水は完成から420年経過した今でも、本宿共有財産管理委員会や本宿部農会を中心に、区民と連携・協働により、適正に維持管理されており、本宿地域の水田地帯に安定的にかんがい用水として、また防火用水や生活用水など地域に不可欠な社会基盤として活用されています。

本宿用水取水堰(新井堰)(上空から)

本宿用水取水堰(新井堰)※上空から

本宿用水取水堰(新井堰)

本宿用水取水堰(新井堰)

建設当時の隧道

建設当時の素掘り隧道

改修後の隧道

現在の隧道

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