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井上靖と作品

井上靖は1907(明治40)年、北海道旭川で生まれました。

軍医の父は転勤が多かったため、幼少期は家族と離れ、戸籍上の祖母と伊豆湯ケ島で暮らしました。

沼津中学(現・沼津東高校)時代は三島・沼津で過ごし、同級生の影響で文学に目覚めます。

その後、第四高等学校(現・金沢大学)では柔道と詩に打ち込み、京都帝国大学文学部哲学科へ入学。在学中は懸賞小説への入選を重ね、親戚にあたる足立ふみと結婚。

卒業後は毎日新聞社へ入社し、美術・宗教欄を担当します。

1950(昭和25)年、『闘牛』で第22回芥川賞を受賞し文壇デビュー。

『しろばんば』『あすなろ物語』といった自伝的小説、現代小説『氷壁』、歴史小説『風林火山』、シルクロードを題材にした『敦煌』『楼蘭』、中国を舞台にした『天平の甍』など、幅広いジャンルの作品を生み出しました。

 

井上靖の作品は、簡潔明瞭な文体と、普遍なテーマがあり、今も多くの読者を魅了しています。

1960年代、ノーベル文学賞候補にもなり、作品は海外でも読まれています。

井上靖77歳 1984(昭和59)年12月19日 撮影・宮寺昭男 提供・井上靖文学館

井上靖77歳 1984(昭和59)年12月19日 撮影・宮寺昭男

【年譜】

1907年(明治40年)   北海道上川郡旭川町で、軍医井上隼雄と八重の長男として生まれる

原籍は静岡県田方郡上狩野村湯ケ島

1910年(明治43年)  3歳     天城湯ケ島で戸籍上の祖母かのと暮らす

1920年(大正 9年) 13歳    1月、祖母かの死去 2月、父の新任地の浜松尋常高等小学校

(現・元城小学校)に転校、浜松師範附属尋常高等小学校に入学

1921年(大正10年) 14歳    4月、静岡県立浜松中学校(現・浜松北高校)に入学

1922年(大正11年) 15歳    父の任地が台湾という内示が出たため、家族は三島に移り、静岡県立沼津中学校

(現・沼津東高校)に転校

1924年(大正13年) 17歳    沼津市の妙覚寺に下宿、文学好きのグループとの交友が始まる

1927年(昭和 2年) 20歳    金沢の第四高等学校(現・金沢大学)理科甲類に入学

柔道部に入って練習開始

1929年(昭和 4年) 22歳    井上泰の筆名で『日本海詩人』『焔』などに詩を発表 柔道部を退部

1930年(昭和 5年) 23歳    4月、九州帝国大学法文学部英文科に入学

登校の興味を失い上京文学書を読みふける 9月、同大学を退学

1932年(昭和 7年) 25歳    京都帝国大学文学部哲学科に入学

美学を専攻この頃から懸賞小説に連続して入選する

1935年(昭和10年) 28歳    京都帝国大学名誉教授足立文太郎の長女ふみと結婚

1936年(昭和11年) 29歳    京都帝国大学卒業

『サンデー毎日』に応募した「流転」が千葉亀雄賞に入賞

毎日新聞社大阪本社に入社 『サンデー毎日』編集部勤務となる

1937年(昭和12年) 30歳    同社の学芸部直属となる

日中戦争で召集され北支に渡るが、脚気のため野戦予備病院に収容される

1938年(昭和13年) 31歳    内地送還となり招集解除 学芸部に復帰し宗教欄を担当

1939年(昭和14年) 32歳    同社の美術欄も担当 仏典・仏教美術・画壇関係の取材も集中する

1945年(昭和20年) 38歳    学芸欄なくなり社会部 終戦の記事「玉音ラジオに拝して」を執筆

大阪の茨木から通勤 家族は現在の鳥取県日南町神福に疎開

文化部勤務 41歳までに大阪本社、東京本社勤務

1950年(昭和25年) 43歳    『闘牛』により第22回芥川賞を受賞

1951年(昭和26年) 44歳    毎日新聞社を退社し社友 文筆活動に専念する

1953年(昭和28年) 46歳    『あすなろ物語』(オール讀物)、『風林火山』(小説新潮)連載

1958年(昭和33年) 51歳    『天平の甍』(中央公論)により第8回芸術選奨文部大臣賞を受賞

1959年(昭和34年) 52歳    『氷壁』(朝日新聞)、その他により第15回芸術院賞を受賞

1960年(昭和35年) 53歳    『しろばんば』(主婦の友)連載 『楼蘭』(文藝春秋)『敦煌』(群像)

により第1回毎日芸術大賞を受賞

1961年(昭和36年) 54歳    『淀どの日記』(文藝春秋新社)刊行 第14回野間文芸賞を受賞

1964年(昭和39年) 57歳    日本芸術院会員となる 『風濤』(群像)により第15回読売文学賞を受賞

『夏草冬濤』(産経新聞)連載

1968年(昭和43年) 61歳    『北の海』(東京新聞ほか数紙)連載

1969年(昭和44年) 62歳    日本文芸家協会理事長に就任 『おろしや国酔夢譚』(文藝春秋)により

第1回日本文学大賞を受賞

1971年(昭和46年) 64歳    『星と祭』(朝日新聞)連載

1973年(昭和48年) 66歳    静岡県長泉町に「井上靖文学館」開館

1975年(昭和50年) 68歳    『わが母の記』(講談社)刊行 井上靖文学館で講演

1976年(昭和51年) 69歳    文化勲章受章 井上靖文学館で講演 大岡信等と訪中

1979年(昭和54年) 72歳    NHKシルクロード取材班と西域各地を旅行

1980年(昭和55年) 73歳    童話『銀のはしご』(小学館)刊行 第2代日中文化交流協会会長就任

1981年(昭和56年) 74歳    『本覚坊遺文』(群像)連載 第9代日本ペンクラブ会長に就任

1987年(昭和62年) 80歳    『孔子』(新潮)連載 妻ふみと渡仏、訪中

1989年(平成 1年)  82歳    『孔子』により第42回野間文芸賞を受賞

1991年(平成 3年)  83歳    1月29日逝去

井上靖8歳 妹の静子と 1915(大正4)年

井上靖8歳 妹の静子と 1915(大正4)年

中学5年のとき 左が靖

中学5年のとき 左が靖

千葉亀雄賞受賞 1936年

千葉亀雄賞受賞 1936年

肖像写真 「月の光」発表の翌年 1970(昭和45)年_ふるさと井上靖文学館(小)

肖像写真 「月の光」発表の翌年 1970(昭和45)年

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更新日:2021年04月27日