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施政方針

施策方針とは、町長がどのような考えや方針で、町政を進めていくかを明らかにするものです。年に4回開会される町議会定例会の初回冒頭で、重要施策の進め方や予算について、町長が演説します。

令和6年度施政方針

 

社会情勢と町政運営の基本方針

昨年5月8日に新型コロナウィルス感染症が5類に移行されて以降、皆様の生活や地域社会が日常を取り戻しつつあり、社会経済は好循環の兆しが見え始めてきております。

しかし、自治体においては、ウクライナ情勢等による不安定な国際情勢に起因した記録的な物価高騰が続く中、デジタル社会、脱炭素社会の実現が推進される一方で、予想以上に急速な人口減少社会の進行といった社会課題に直面しております。

昨年12月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の2020年をベースとした2050年の静岡県の将来推計人口は、マイナス22.1%、約80万人の大幅な減少、県内で最も減少幅が少ない当町においてもマイナス5.9%、約2,500人の減少となり、4万人は確保できるものの減少傾向となることが予測されております。

こうした全国的な人口減少、高齢化の急速な進行に伴う生産年齢人口の減少に伴い、経済の縮小や税収減等により、自治体の存続が危ぶまれる事態が現実的なものとして認識される中、当町においても今までの右肩上がりが必然といったまちづくりではなく、健全財政を維持しつつも財政調整基金の取り崩しや町債の活用により、現在取り組んでいる町の基盤づくりを着実に進め、引き続き「住みたい、住み続けたい」と思っていただける“輝きつづける”まちづくりに向け、第5次長泉町総合計画前期基本計画のこれまでの取り組みの結果を「形」にし、後期基本計画に向けたステップの年にしていきたいと考えております。

したがいまして、令和6年度当初予算につきましては、第5次長泉町総合計画前期基本計画に掲げた3つの大型ハード事業のうち、既に供用開始しているパークゴルフ場を除く、鮎壺公園と下土狩駅周辺の2つの整備事業が完成を迎えるなど、ここに記載されている18項目の全てに着手し、計画の総仕上げに向けて、町の更なる発展に向かう様々な取り組みを加速させ、効果的、効率的な各施策、事業の推進に努めてまいります。

重点施策の概要

 

基本目標1 いきいきとした暮らしを支える 優しい ながいずみ

「健康づくり」分野につきましては、従来のスポーツフェスティバルを見直し、誰もが気軽に立ち寄り楽しむことのできる健康づくり要素を強めた自由参加型のイベント事業「ながいずみカラダフェスタ2024」を初開催いたします。

「保健・医療」分野につきましては、ほぼ全ての日本人が発症リスクを持ち、80歳までに3人にひとりが発症すると言われる帯状疱疹の発症及び重症化を予防し、医療費の削減を図るため、50歳以上の方を対象に、任意接種したワクチン接種費用の一部を助成する、帯状疱疹ワクチン接種事業費補助事業を新たに実施いたします。

また、がんの早期発見・早期治療、予防・改善につなげるため、各種がん検診の無料化を継続し、健康診査やがん検診の受診を促し、受診後の相談や指導体制の充実を図るとともに、さらなる受診率向上を図るため、子宮頸がん・乳がんの集団検診事業を新たに追加し、女性特有のがん検診の受診しやすい環境を整えてまいります。

「地域福祉」「高齢者福祉」「障がい福祉」分野につきましては、長引く食材料費の高騰に直面する中で、高齢者・障害者施設等が、利用者の負担を増やすことなく、これまで通りの栄養バランスや量を保った食事の提供が行えるよう、社会福祉施設等を運営する事業者に対し支援金を交付いたします。

また、介護・障害・子育て・困窮等の分野にとらわれず、横断的な連携を図り、複雑化・多様化する町民生活における課題に対応するための重層的支援体制を整備いたします。

さらに、現在地域で行われている住民主体による生活支援サービスや介護予防に資する移動支援など、地域住民による介護予防・生活支援サービスが実施されているなかで、活動の継続を図るとともに、新たなサービスの創出を目指し、補助制度を創設して活動を支援してまいります。

加えて、高齢者の皆様の外出支援策として実施している「高齢者タクシー・バス利用助成事業」を、全国的にも先進的な取り組みである「マイナンバーカードを活用したタクシー利用助成事業」に統合し、従来は5,000円であった支援額を上限3万円まで大幅に引き上げ、高齢者の皆様の外出支援を強力にサポートしてまいります。

基本目標2 全ての人の成長と活躍を 育む ながいずみ

「子育て」分野につきましては、医療的ケアが必要な園児の保育環境を確保し、保護者の離職防止を図るため、民間認定こども園が配置する看護師の人件費に対する補助事業を新たに実施してまいります。

また、町内小学校において予想される新入生数の動向や利用ニーズの高まりから、保護者の働きやすい環境の確保と児童の健全な成長を図るため、新たに夏季休業期間限定の放課後児童会を開設いたします。

さらに、こども交流センター“パルながいずみ”においては、依然として高い状況にある保育ニーズに対応するため、運営を民間委託し、新たな待機児童対策として、保育園の利用申し込みを行ったものの、定員の超過などにより利用できなかった児童を受け入れる「定期利用型保育事業」を新たに実施するとともに、開館日数の拡大等を図るなど、子育て世代の皆様にとって魅力的でより利用しやすい施設となるよう、子育て支援機能の拡充を図ってまいります。

このほか、安心して子育てができる環境を整えるため、引き続き、0・3・6歳児の保護者に対するこども商品券の支給に加え、出生時から継続して町内に6年間住所を有した児童の保護者に対する、1人につき2万円分のこども商品券の加算支給を令和6年度から開始いたします。

「学校教育」分野につきましては、学校に行くことが困難な児童生徒が学校でなくても学ぶことができ、自分らしさを安心して発揮できる居場所を確保し、適切な支援や学習指導ができるよう、教育支援センターを開設し、運営を開始いたします。

また、部活動の地域移行の推進を図り、諸課題に対応する部活動地域移行コーディネーター及び部活動指導員を新たに配置し、子ども達に活動機会の確保や専門的技術の習得機会の提供をしてまいります。

「生涯学習」分野につきましては、ICT等を活用した図書館の利便性の向上に資する取り組みとして、子ども向け図書を中心に電子図書のコンテンツを購入し、オンラインシステムで貸出等の管理ができる、県内の町では初の「非来館型の電子図書館」を導入し、デジタル化と町民の図書館利用の利便性向上を図ってまいります。

基本目標3 住みやすく働きやすい 豊かな ながいずみ

「商工業」分野につきましては、新規に立地した企業の用地取得費と新規雇用に対して補助する「地域産業立地事業費補助金」の補助率の上乗せ、補助限度額の引き上げ及び対象施設の追加を行い、新東名高速道路長泉沼津インターチェンジ周辺エリア及び既存工業団地周辺エリアへの更なる企業誘致の促進を図ってまいります。

「農業」分野につきましては、農地活用推進計画に基づき、区画割のイメージ図、農業用水の配管状況、土質状況、農業用地の造成にかかる概算事業費等が盛り込まれた資料を作成し、農業者の皆様のご意見を伺いながら、農業法人の誘致を促進し農地の有効活用を図ってまいります。

「観光・交流」分野につきましては、静岡県に正式譲渡され、施設改修や施設活用のモデル事業の実施等が予定されている旧ヴァンジ彫刻庭園美術館跡地の活用について、近隣市町と連携した施設の運営サポートのほか、当町独自の利活用推進イベントを行ってまいります。

「道路」分野につきましては、町道下長窪駿河平線を含む生活道路の渋滞解消や将来的な企業誘致を目的とした北部地域幹線道路の整備を進めるため、国等の関係機関との協議、用地取得及び物件補償を引き続き進めてまいります。

「生活空間」分野につきましては、非居住住宅の除却を促し、空き家の発生抑制やその土地の利活用促進を図るため、非居住住宅を除却した土地に係る固定資産税を一定期間、住宅用地特例を適用したときと同程度の税負担になるよう固定資産税を減免する制度を新たに創設いたします。

また、令和6年度末のオープンに向けて工事を進めている鮎壺公園は、先行取得した事業用地の償還及び交流施設の建築工事及び既存公園の改修を進めてまいります。

さらに、下土狩駅駅前広場の利便性の向上・交通結節点の強化を目的に、都市再生特別措置法に基づき策定した都市再生整備計画のもと整備を進めている下土狩駅駅前広場の改修工事を引き続き進めてまいります。

「環境」分野につきましては、将来的な一般廃棄物排出量の減少が見込まれる中、地域において安定的かつ効率的な廃棄物処理体制の構築に向けたごみ処理の広域化及びごみ処理施設の集約化の可能性等を検討するため、静岡県一般廃棄物処理広域化マスタープランに示された当町を含む3市2町での一般廃棄物処理施設広域化実現可能性調査を行うとともに、広域で実施する調査を補完し、当町にとってのメリット・デメリットを明確化するため、町単独で一般廃棄物処理施設広域化等検討基礎調査及び塵芥焼却場現況調査を実施いたします。

基本目標4 絆でつながる 安心な ながいずみ

「防災」分野につきましては、地震や風水害など災害時の備えとして、避難所環境の改善のため、土砂災害のリスクのある地域の広域避難場所である北小学校体育館に空調設備を新たに設置いたします。

また、大規模災害発生時に、土砂災害発生区域等に安全かつ早期に被害現場の状況把握を行うことで迅速な人命救助等の災害対応につなげるため、災害用ドローンを整備いたします。

さらに、良好な環境整備や近年多発するゲリラ豪雨などの災害に強いまちづくりを推進するため、大洞沢(おおほらさわ)堰堤(えんてい)整備工事などの計画的な河川改修を進めてまいります。

「防犯・交通安全」分野につきましては、長泉なめり駅及び下土狩駅利用者に自転車駐車場を安全かつ適正に利用していただくため、照明器具の更新、駐輪スペースの改良及びサイクルラック等の設置を行うための設計業務を進めてまいります。

推進目標 町民との情報共有に支えられた効率的な行財政運営

「情報共有」分野につきましては、当町を含めた県東部地域への移住ニーズが大幅に高まっていることから、県の補助金を活用し、町ホームページ内に移住定住の専用サイトを構築するほか、移住フェアに出展するなど、町の魅力を内外に発信し当町への移住定住の促進を図ってまいります。

「行財政運営」分野につきましては、第5次長泉町総合計画前期基本計画及び第2次まち・ひと・しごと創生総合戦略が令和7年度に計画期間を迎えることから、後期基本計画の策定及び国のデジタル田園都市国家構想総合戦略を踏まえた総合戦略への改定に着手いたします。

また、納税の催告方法として、従来の郵便物による催告の一部をSMS(ショートメッセージサービス)を活用したシンプルかつ確実性の高いプッシュ型の催告に変更することで、気づきやすい情報伝達を行い収納率の向上を図ってまいります。

さらに、ふるさと納税制度の返礼品として、今年度から取り組んでおりますゴルフ場等の現地体験型、クラウドファンディング方式に加え、町が招聘した彫刻家の作品を新たに返礼品に採用し、ふるさと納税制度を通じた町の様々な魅力発信を引き続き行ってまいります。

このような推進目標に掲げる各施策を着実かつ効果的に実施するとともに、国のデジタル化に伴うサービスの提供を受けるには、マイナンバーカードの普及が前提となることから、当町では、普及率向上に向けた様々な工夫を重ね、昨年初めに約62%だった交付率を、本年1月末現在で約82%まで増やし、町民の5人に4人がマイナンバーカード交付済みとなっております。今後も様々なサービスが展開されることが想定されますので、本人確認が必要な、あらゆる公的・民間サービスを簡単・便利に利用できる社会の実現に向けて、マイナンバーカードのより一層の普及促進に取り組んでまいります。

令和6年度予算編成にあたって

以上、私のまちづくりに対する所信の一端と令和6年度に取り組む施策の概要について申し上げましたが、事業の必要性や優先度、費用対効果などを十分に検討したうえで、限られた財源を重点的・効率的に配分するための精査や財源の確保に努め、令和6年度当初予算は、一般会計の総額が令和5年度当初予算に対し、3.6%増の171億円とし、過去最大の予算規模となりました。また、特別会計の総額は前年度比 0.4%増の75億6千 719万円、公営企業会計の総額は、前年度比8.5%増の26億2千40万円、全会計の総予算額は、272億8千 759万円で、前年度比3.2%の増としております。

令和6年度における、町歳入の根幹である町税収入は、前年度比 0.1%増の95億2千200万円で、歳入全体の55.7%を見込み、自主財源の割合を示す自主財源比率が64.3%と、前年度と比較して1.7%低下しておりますが、税制改正に伴う定額減税分を地方特例交付金で受け入れることを考慮すると、ほぼ前年度並みの自主財源比率を維持するとともに、国庫支出金や町債などを活用することで、第5次総合計画に掲げる各種施策の推進と財政の健全化を考慮しつつ、より質の高い行政サービスを安定して提供することを念頭に置いたものであり、金額の大小はありますが、15本の新規事業を盛り込み、町民の皆様の参画のもと、まちづくりを進めてまいりたいと考えております。

過年度施政方針

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更新日:2024年03月01日